以下では、2025年5月1日~20日のCoinPost記事を横断し、各トピックがどのように相互に関連し、暗号資産市場全体へどんな影響をもたらしているかを一つの記事としてまとめました。
概要
5月初旬から中旬にかけて、米州レベルのビットコイン支持法案や高官のカンファレンス発言をきっかけに規制期待が高まり、その追い風で機関投資家や“クジラ”がBTC・ETHを大量取得。一方DeFi市場では週次取引量が5400億円を突破し、RWA(リアルワールド資産)のトークン化事例も登場。これらの動きが相互に波及し、取引所キャンペーンやコミュニティ勉強会によるリテール動員、さらにイーサリアムL1強化ロードマップ発表によるインフラ整備期待へとつながっています。
規制・政策期待が市場を後押し
州法&高官発言で「ビットコイン公的採用」ムード
米ニューハンプシャー州がビットコインを州の準備資産化する法案を審議中で、金同等の地位付与が注目されています。さらに、5月末の「Bitcoin 2025」カンファレンスでマイク・ペンス米副大統領が基調講演を行う予定と報じられ、政権サイドからの公式メッセージは市場の安心感を一段と高めています。
トランプ前大統領の“超大国”発言
「米国がビットコイン超大国になる準備は整った」というトランプ政権高官のコメントは、シンシア・ルミス上院議員の「ビットコイン法2025」と併せて、連邦政府レベルでのBTC購入議論を示唆。これが短期的な買い圧力を生む要因となっています。
機関投資家&クジラの動きが需給タイト化
Grayscale「2025年注目20銘柄」で中長期マネー誘導
Grayscaleが選ぶ暗号資産トップ20には、BTCやETHだけでなくRWAやDePIN、IPトークンなど多彩なセクターが並び、機関マネーの分散投資先として指名されました。これがETF申請期待とも相まって、ETHへの資金流入を後押ししています。
“クジラ”によるETH大量蓄積
複数の大口投資家が5月上旬に70億円相当のイーサリアムを買い増し、ブラックロックのステーキングETF申請期待やフィデリティのディップ買い分析が背景にあると指摘されています 。
DeFi市場とトークン化事例
DeFi取引量5400億円突破
5月中旬の一週間で、主要DeFiプロトコル全体の取引量が5400億円超に達し、流動性とエンゲージメントが過去最大を更新しました。これがオンチェーンの活況を証明し、さらなるユーザー誘致を呼び込んでいます。
不動産のブロックチェーン・トークン化
UAE大手MAGとMavryk、マルチバンクが4000億円規模の不動産をトークン化。DeFiとの連携で二次流通の流動性拡大を狙う事例は、RWA領域の新たな潮流を示唆しています。
SUI現物ETF申請 & 価格急騰
21SharesがSUI連動型ETFを米SECに申請したニュースで、SUIは一時9%高と急騰。Grayscaleも「SUIは過小評価」と指摘しており、L1セクターの有望株として注目を集めています。
インフラ強化と未来展望
イーサリアムL1アップグレードの優先事項
ヴィタリック・ブテリン氏が2025年の重点開発項目として「シングルスロットファイナリティ」「長期的VM進化」「ステートレス化」「セキュリティ強化」を挙げ、複雑取引の高速化を図る計画を発表。DeFiのスケーラビリティ改善に直結すると期待されています。
市場の強気シナリオ
一部アナリストはオンチェーン指標が「上昇開始ゾーン」に入ったと判断し、6ヶ月でビットコインが15万~17.5万ドルに到達する可能性を示唆。規制・機関マネー・インフラ強化の好循環がこの楽観シナリオを支えていると言えます。
相互作用とインパクト
規制安心感 → 機関参入 → 流動性増大
州法案や高官発言で市場信頼度が上がり、Grayscaleやクジラ買いが活発化。これがDeFi取引量急増やETF申請銘柄への資金流入につながっています。
DeFi活況 → RWAトークン化 → インパクト投資拡大
5400億円突破の勢いを背景に、不動産や実世界資産のトークン化事例が相次ぎ、新たな資産クラスとしてDeFiエコシステムを拡張しています。
インフラ改善 → UX向上 → エコシステム成長
イーサリアムL1強化や高速確定化はDeFi取引の信頼性・利便性を飛躍的に高め、長期的なユーザー定着と新規ユースケース開拓を促進します。
5月の動きと次の注目点
5月1~20日の一連の動きは、規制期待・機関マネー・DeFi活況・インフラ改善という四つの潮流が相互に作用し、Web4.0時代のSymbiotic Web的市場拡大を示しています。今後はBitcoin2025での政策メッセージ、ETF承認状況、RWA推進事例の進展に注目しつつ、ユーザー体験とインパクト投資の両立を図る戦略が鍵となるでしょう。
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